資金繰りが苦しいときにとるべき対策と注意点
企業経営において「資金繰り」は生命線ともいえる重要な要素です。
どれだけ売上があっても、手元資金が不足すれば、従業員への給与や仕入代金の支払いが滞り、事業継続が危ぶまれることになります。
本記事では、資金繰りが苦しいときに経営者がとるべき具体的な対策と、その際の注意点について紹介します。
現状を正確に把握する
まず最初にすべきことは、資金の出入りを正確に把握することです。
現金預金残高、売掛金、買掛金、返済予定の借入金など、あらゆる資金の動きを一覧にまとめ、近い将来にどの程度の資金が不足するのかを明確にします。
資金繰り表を作成し、資金不足が起きるタイミングとその規模を見える化することで、的確な対策がとれるようになります。
売上の回収を早める
資金繰りを改善するには、まずは入金を早める工夫が有効です。
売掛金の回収サイトを見直したり、一部前払いを求めたりすることで、資金の早期回収を図ることができます。
また、ファクタリング(売掛債権の譲渡)を活用することで、一定の手数料は発生するものの、早期に資金を確保することも可能です。
支出を見直す
一方で、出ていくお金を減らす工夫も必要です。
固定費(家賃、人件費、リース代など)や変動費(仕入コストなど)を一度見直し、不要な支出がないかを確認しましょう。
とくに、契約の見直しや業務の一時停止が可能な費用は、早急な対応を検討すべきです。
また、在庫の圧縮や不要資産の売却によって資金化を図るのも有効な手段のひとつです。
借入金のリスケジュール
既存の借入金について返済条件の変更を金融機関に依頼する「リスケジュール」も有効な選択肢です。
リスケジュールとは、元本や利息の返済を一定期間猶予したり、返済期間を延長することで、月々の返済負担を軽減する手続きです。
ただし、信用情報に履歴が残ることで新たな融資が難しくなる場合もあるため、慎重な判断が必要です。
借入や金融支援の活用
自己努力だけでは限界がある場合には、外部からの資金調達も視野に入れるべきです。
銀行への相談や、日本政策金融公庫、商工中金などの公的機関による緊急融資制度の利用が考えられます。
まとめ
資金繰りが苦しくなったとき、冷静に現状を把握し、優先順位をつけて対策を講じることが重要です。
入金の早期化、支出の見直し、資金調達などについて早期に検討し、的確に対応することが、企業を守ることにつながります。
資金繰りについてお困りの場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
Basic Knowledge当事務所が提供する基礎知識
-
電子申告(e-Tax...
所得税や法人税の確定申告の時期になると、税務署に出向く必要があることや、書類作成の煩雑さに頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。そんな中、近年広く普及しているのが国税電子申告・納税システム、通称「e-Tax(イータッ […]
-
事業承継税制とは?制...
中小企業において事業承継は重要な課題の一つですが、その際に大きな障壁となるのが「相続税」や「贈与税」の負担です。これらの税負担という課題を解消するために設けられたのが「事業承継税制」です。本記事では、法人向けの事業承継税 […]
-
税務セカンドオピニオ...
税務の判断は、すべての税理士が常に最善の提案をしてくれるとは限らず、専門性や視点の違いによって判断が分かれることもあります。そんなときに活用したいのが、「税務セカンドオピニオン」です。本記事では、税務セカンドオピニオンの […]
-
相続税の申告期限はい...
相続が発生した際には、相続税の申告期限や、万が一期限に間に合わなかった場合のペナルティについて、事前に把握しておく必要があります。とくに、初めて相続を経験する人にとっては、手続きの流れが分かりづらく、不安を感じることも少 […]
-
借入金のリスケジュー...
企業や個人事業主が経営状況の悪化に直面した際、金融機関との間で返済条件の見直しを行うことがあります。このような手続きは「リスケジュール(リスケ)」と呼ばれ、事業再生や経営改善の初期段階で重要な選択肢となります。本記事では […]
-
私的整理とは?法的整...
企業が経営不振に陥ったとき、債務整理を行う手段として「私的整理」と「法的整理」があります。本記事では、私的整理の基本的な仕組みや、法的整理との違い、そして私的整理を活用するメリットについて紹介します。私的整理とは何か私的 […]
Search Keywordよく検索されるキーワード
Newsお知らせ
Columnコラム
Representative代表税理士

30年以上の実績で円満な解決に向けて尽力します
オンライン相談も対応。
お客さまのお気持ちとご希望を第一に、最善の方策をご提案をいたします。
30年以上の実務経験に基づいた適切なアドバイスとノウハウで、お客様の問題を的確にサポートし解決へと導きます。
法人・個人のお客様の最良のパートナーとして、最善の方策をご提案いたします。
-
- 所属団体
-
東京税理士会神田支部(70038)
-
- 経歴
-
昭和62年~平成24年 大手税理士法人等でパートナー税理士として在籍
昭和62年 税理士一般試験合格
平成2年 税理士登録
平成24年10月 大手税理士法人退職後、税理士事務所開設
Office事務所概要
事務所名 | 加藤良秋税理士事務所 |
---|---|
代表者 | 加藤 良秋 |
所在地 | 〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町1-10-6 BIZ SMART神田407 |
TEL/FAX | 03-5948-5774/050-3730-1089 |
営業時間 | 9:00~18:00 (事前予約で時間外対応可能です) |
定休日 | 日曜、祝日 (事前予約で休日対応可能です) |